相続放棄をしたのに遺産を管理しなきゃいけない?

被相続人の遺産が借入金など債務ばかりで相続をすると大きな損失を被る場合は、相続放棄をする事でそうした事態を回避できますが、もし相続人全員が相続放棄をして遺産を管理する人が居なくなってしまった場合は、相続放棄をした相続人に遺産を管理する責任があります。相続において相続人が不明の場合や不在となった場合、債務などの弁済を済ませて余った被相続人の遺産は国に帰属する事になりますが、そうした事務手続きを行う人を相続財産管理人と言います。この管理人は、被相続人の債権者や特定遺贈の受遺者などが家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が選任します。ただし、申立ての際には、遺産の状況の応じて30万円から100万円超の予納金を納付しなければなりません。

この予納金は管理人の実費に充当される金額ですが、弁済などの手続きを行っても債権や予納金の回収が困難である場合は、管理人を申して立てない場合が多いです。相続財産管理人を申立てず、遺産を管理する人が不在のままでは利害関係者などが不利益を被る事になりますので、民法940条の規定により、他の相続人や相続財産管理人が管理を始める事ができるまでは、自分の財産と同じような注意をもって遺産を管理しなければなりません。つまり、相続放棄により債務の返済を迫られたり、訴えられたりする事はありませんが、例えば老朽化した家屋が倒壊して第三者に損害を与えた場合は責任を問われますし、雑草や枝木が隣地へ侵入している場合はそれを取り除く必要があります。このように、相続放棄をしても遺産を管理する可能性はありますので注意して下さい。

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